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【技術点11/11 体力点18/18 運点11/12】
たぶんここでは、時間の意味もないだろう。 だからもう、どれくらい歩いたかわからない。だが非常食レーションの減り具合からすると、虚空に突入してから3日はゆうに経過していてもおかしくはない。トラベラー号は無事だろうか・・・そんなことを漠然と考えつつ、私はただひたすら歩く。 右、左、右、左 ・・・ 次々と遭遇する左右の分かれ道。気のせいか、何度も同じ分岐点に戻っている錯覚も覚える。10数回、この決断を繰り返しただろうか。すでに私の足は疲労を通り越して棒のようになっている。 だが・・・ やがて・・・ ついに・・・! !!! 私は歩き続けた末、ついに道の終点に辿り着いた。 (1)『道を降りて虚空に足を踏み入れるか?』 (2)『それとも道を後戻りして最後の分かれ道を通り越し、その前の分かれ道を右に折れるか?』 ここまできて引き返す手はない。また虚空の迷路を彷徨することになるのはゴメンだ。よし!私は(1)を選択し、前に進もうとする・・・そのとき! 私は見た気がした。前方に広がる虚空の中にパウロ・ゴンザレス技官の姿を。 決して私はオカルト主義者ではないし、(この時代の普通の人間と同じく)霊魂など非科学的なものだと捉えている。だが彼は確かにそこにいた。悲しそうな表情で笑みを浮かべつつ、私を両手で押しとどめるような格好をしていた。 私の足が止まる。 「そうか、ここから先は、来てはいけないのか・・・さようなら、パウロ・・・」 私はそうつぶやくと、引き返し、別の道を行くことにした。 やがてそちらの道も終点に辿り着く。勇気を出して、足を踏み入れる。 すると!何か実体を持つものに足が支えられた。電気的なブーンという音がして閃光に目がくらむ。私は戻ってきた。イ・アベイルと技師達が出迎える。実験は成功したのだ! イ・アベイルは私を連れて事務所に戻り、私の脳波をモニターで観測した結果、いくつかの興味深いデータが見つかったと興奮気味に話してくれる。 イ・アベイル「特にここだ。ほら、大きく精神波が増幅され、君は歩行前進をやめて引き返している。今までの犠牲者の例からすると、実際ここで次元漂流を起こす危険はかなり大だったのだよ」 ホクト「(無表情で沈黙する)・・・」 イ・アベイル「だが、君は踏みとどまった。いったい何があったのかな?」 ホクト「ああ、それは、かけがえのない部下が守ってくれたのです」 イ・アベイル「???」 まあ、彼に理解できる観念ではないだろう。私自身、十分に理解できていないのだから。 イ・アベイルは言葉を続ける。次元間移動に開発の道筋がついたにしても、まだまだ実用には時間がかかる。君達の宇宙船を手っ取り早く元の宇宙に戻すには、この戸枠よりずっと大きな入り口が必要だ。と述べる。そして星図を持ち出してきた。 「私の調査によると、近いうちに159星区でブラックホールが発生する兆候がある。」そう言って彼は骨ばった指でその区域を示してくれる。私は目指すべきブラックホールの「位置座標」のうち、1つを手に入れた! 私はさらにこの付近の星系について詳しい情報を求める。すると彼は、ここから数光年の距離にある鉱業惑星マリニを訪れてはどうか、と提案する。それなりに高い文明を有する異星人たちが住んでいるそうだ。 こうして私はジョルセン第三惑星を離れ、トラベラー号に帰還した。私の持ち帰ったデータにはクルー全員が喜んでくれて、閉口したことに帰艦記念パーティまで企画していた。うれしいことはうれしいが、とりあえず艦長として叱ることにする。「これはいったい何の馬鹿騒ぎだ!」 「3宇宙日後は私が指揮を執る命令でしたので、艦長代行として許可しました。まさか、お忘れですか?」いつもは沈着冷静なDr.セルゲイが、めずらしくいたずらっぽい笑みを浮かべていた。「まあ艦長、たまにはいいじゃありませんか」と、マイヤー保安官がビールのジョッキを手にして近づいてきた。 マイヤー「(小声でひそひそと)最近、クルーの士気が低下気味でした。いいストレス解消になったと思います」 ホクト「それはやはり、パウロの死のことで・・・?」 マイヤー「いえいえ、みんな艦長のことを心配していたんですよ」 ホクト「わかったよ、私にもブランデーを!」 やけになって私はぐいっとグラスを空ける。「今回の情報入手は艦長の殊勲ですね!キャプテン・ホクトに乾杯だ!」まるで自分のことのように、グェンが得意気に、高らかに宣言する。 私は回るアルコールの残り香に咽びながら、私はこう答えた。「いや、これは、ゴンザレス技官の殊勲だよ。パウロの・・・うっぷ!」 しかしそのつぶやきは、私に泣きついてきたソフィー医務官にかき消された。新しい発見だ。彼女は泣き上戸だったのだ・・・。 【技術点11/11 体力点18/18 運点11/12】 SAVE:41
by mccoy12345
| 2006-02-26 00:04
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