by mccoy12345
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【技術点11/11 体力点18/18 運点12/12】
=============================== メイデイ 【Mayday】 《助けに来ての意の、(フランス)(venez) m'aider「助けて」から》 船舶・航空機などが無線電話で送る国際救難信号。 単なる符号で、文字自体には意味がない。。≒エスオーエス [ SOS ] =============================== 嫌な予感は現実となった。 「MAYDAY! MAYDAY! MAYDAY! こちら偵察艦トラベラー、ワープエンジンが10%定速から動かない!!もうすぐ安全範囲をオーバー!」 いつもは陽気なパウロ技官が切羽詰った声を上げる。他のクルーも青ざめて全員パニック状態だ。 新型ワープエンジンはとんでもない欠陥品だった!ワープ速度を一度設定したら可変できなくなるウィルスがコンピュータに組み込まれていた。いかなる指示も“CANCEL”の表示しか返さない。つまり、我々はこのままだと超加速の末、宇宙の果てにまで永遠の大航海を続けることになる。 いや、それだけならまだいい。Dr.セルゲイ科学官がひそひそと私にささやく。他の乗員に聞かれて、これ以上のパニックが起こるのを防ぐためだ。 セルゲイ「この付近に小型ブラックホールがありましたよね・・・。ちょうど針路上です。このままですと本艦は突っ込みます・・・!」 ホクト「パウロ、オーバーパワー誤作動の原因解析はあとどれくらいかかる?」 パウロ「ええっと、あと13分!」 ソフィ「それじゃ間に合わないわ!」 グェン「俺たち・・・死・・・ひいいっ!」 ホクト「落ち着け!連邦軍士官たる者、うろたえるな。誰か、何か解決策は?」 セルゲイ「あることにはあります。ブラックホールを逆手に取りましょう。」 Dr.セルゲイ科学官が凄まじい解決案を思いつく。いや、解決案というか、ほとんど自殺案だ。ブラックホールの凄まじい引力圏に弧を描いて飛び、引力に引きずられて減速しながら操縦系を回復させるというものだ。 やってみる価値はある・・・が・・・。 セルゲイ「弧の頂点から方向を変えるタイミングが重要です。私の計算では、誤差0.01秒以内で180度変針が必要です。」 ホクト「可能だと思うか?」 セルゲイ「S級艦長ならば!」 ・・・言ってくれる。私は艦長席について自分の責務を果たすことにする。すなわち、この宇宙船の進路操縦を担うのだ(ご存知のように地球連邦軍の艦船は、自動操縦時以外は、艦長が操縦権を掌握する系統である)。 ブラックホール引力圏内に入った。船体が振動し、嫌なきしみ音がする。黙って席に座ってベルトを締め、神に祈るクルーの面々。今や我々の船は大渦巻に飲み込まれる帆船といったところだ。 今だ!そこしかないタイミングで私は思いっきり操縦桿を引く。右舷にぐらりと傾き、偵察艦トラベラーは急転回した。ディスプレイには漆黒のブラックホールが地獄の穴のように待ち受けている。その縁を、我々の船は絶妙の姿勢で航行し続ける! 「加速低下・・・5・・・0・・・-5%!イヤッホー!さすがキャプテン!」パウロが歓声を上げた。私は安堵のため息をつく。平均台の上を全力で走りながら針の穴に糸を通すような操縦で加速は止まった。あとは遠ざかるブラックホールを尻目に、操縦系を回復させていけばよい。原因解明まであと10分弱。 しかし今日はつくづくツイていなかった。 異変にいち早く気づいたのはマイヤー保安官だ。「艦長・・・速度計が・・・」 ・・・-10・・・-15・・・-25%・・・ 私は目を見張る。速度が落ち続けている!つまりこの船はブラックホールに引きずりこまれているのだ!! Dr.セルゲイ科学官が「変光星ブラックホールか!」と絶望にうめく。つまりは自分の虜にできる引力が一定でなく、潮の干満のように変化する厄介なブラックホール。まるで漆黒の化け物のようにそいつは口を大きく開け、偵察艦トラベラーを吸い込もうとしている。 緊急レッドアラートのボタンを押し、非常制動エンジンを噴射させるも、残念ながら手遅れのようだ。船はブラックホールにぐんぐん向かっていき、高い金属音を上げて振動し始める。次に至る過程は明確である。船体は危険なまでに薄く引き延ばされて分解し、我々は暗黒空間に閉じ込められるのだ。 非常電源がブチンと切れ、ブリッジ内が真っ暗になる。 「だめ・・・もう・・・神様っ!」恐怖に耐えかねたソフィー医務官の悲鳴がブリッジ内に響き、それがセルツィア空間における私の最後の記憶となった・・・ 【技術点11/11 体力点18/18 運点12/12】 SAVE:256
by mccoy12345
| 2006-02-17 22:22
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