by mccoy12345
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【技術点14/14 体力点23/23 運点14/14】
『今日もまたものすごく暑い日で、薄暗い甲板下は蒸し風呂のようだ。汗だくの身体が発するツンとくる臭いが充満している。奴隷たちはみな、口をきくことを禁じられている。単調なオールのきしみ以外に聞こえるのは、鋭い、規則的な鞭の音と、続いて起こる苦悶の呻きだけだ。「もっと強く漕げ、犬どもめ!」片目の監督が、またもや鞭を鳴らして怒鳴る。「今のうちに、この快適な船旅をせいぜい楽しむんだ。というのはな、お前らは向こうについて1日も2日もすりゃ、ここに戻れたらなあと思うようになるんだ!」ベンチに鎖でつながれ、長いオールをもう2人の奴隷たちと懸命に漕ぎながら、君の思いは、一週間前、君が捕らえられたあの不運な日へと漂い戻っていく・・・』 今回、こんな文章から始まるわけで。もう、俺にどうしろと・゚・(ノД`)・゚・。 俺の名はブリッツ。まあいろいろあって、今は奴隷やってます(←投げやり) かつては俺もバンシー号で内海をブイブイ言わせてた海賊だったし、こうやって奴隷をこき使ってた身分だったこともあったっけ。 それが今はなあ・・・因果応報ってやつかなあ・・・ とにもかくにも、俺の日常は、鎖につながれて血反吐が出るくらいにオールを漕いでいるだけさ・・・(ビシイ!)・・・あーうち!!何もしてねえじゃんかよお、叩くなよお!!!(>△<) この奴隷船はどこか俺の知らないところに向かっているらしい。 あとどれくらいで港に着くのか?なんて奴隷監督に話しかけたら・・・(ビシイ!)・・・あーうち!!また鞭でたーたーかーれーたー!!( TДT) 南方人(ひそひそ)「あまり睨まれるなよ。島に着くまで、もたないぞ」 ブリッツ「えぐえぐ・・・しまぁ?(;_;)」 俺に話しかけてきたのは、隣でオールを漕いでいた南方の黒人奴隷だ。引きしまって頑健そうな体つきで、目には聡明さを蓄えている。もはや抵抗する意思も失った、丸太のような他の奴隷どもと違って、まだこいつは自分を捨てずに「生きて」いるみたいだ。 南方人「ああ。船員の立ち話を聞いた。この船はブラッド・アイランドに向かってるらしい」 ブリッツ「なんだそりゃ、聞いたことねえぜ?」 南方人「そこで俺たちは戦わされるんだとさ」 ブリッツ「なんのために?」 南方人(肩をすくめて)「生き残るためにさ」 奴隷監督「お前ら、しゃべるな(#゚Д゚)ゴルァ!!!」 ビシッ!ビシッ!ビシッ!!2人してまとめてぶっ叩かれたああ!!! ブリッツ「あてて。アノヤロー、いつかブッ殺してやる!!」 南方人「アツツ。まったく同感だな。お互い気が合いそうだ」(ニヤッと笑う) ブリッツ「へ、へへ・・・」 暗黒の船蔵で「笑う」という楽しみを取り戻す俺と南方人。こいつ、かつては陽気な男だったらしいな。なかなかいい度胸してんじゃねえか( ̄∀ ̄ ) こうして俺にはダチ公ができたわけだが、楽しいおしゃべりの時間はここでおしまいだ。なぜなら「陸が見えるぞ!」という見張りの叫びが船内に轟いたからだ。 やがて1時間後、船が突堤にどしんとぶつかるのが感じられ、俺は他の奴隷たちと一緒に船蔵から引き出された。 ギラギラ照りつける太陽の下、俺は自分が小さな島に連れてこられたことに気付く。島のてっぺんにはいかめしい城がそびえ立ち、その城のそばには、半ば崩れかかった円形闘技場が見えた。 やがて黒い鎖かたびらを着た男がやってきた。そして「一人多いな、これはおまけだ」などと言いつつ、船長のバーテラに一袋のコインを手渡す。船長はこの支払いに満足し、手下を船に戻し、やがて帆をあげて島から出港してしまった・・・ こうして唯一、この島から脱出する手段もなくなっちまった俺たちに向かって、黒い鎖かたびらの男はだみ声を張り上げる。 鎖かたびらの男「お前らは今やカーナス卿の奴隷だ。ブラッド・アイランドの死の闘技場で、卿の楽しみのために死ぬことを名誉だと思え!」 ブリッツ(ひそひそ)「そんなのまっぴらごめんだぜ」 南方人(ひそひそ)「だが逃げられないな」 鎖かたびらの男「お前らのうち、生き残るのはたった1人だ!!」 俺と南方人のひそひそ話に気づかず、陶酔したような口振りで話し続ける鎖かたびらの男。 鎖かたびらの男「そして、その男もしくは女が、ファングで行われる『迷宮探険競技』に、われらがカーナス卿の名代として参加するのだ」 ブリッツ「 (゚Д゚)!! 」 南方人(ひそひそ)「どうかしたか?」 ブリッツ(ひそひそ)「いや、なんでもねえ・・・」 ファングの地下迷宮! うわーひっさしぶりに聞いたわ。その名前。かつて俺が突破してチャンピオンの名誉を授かったところだ。 だがそのおかげでオーナーであるサカムビット公はひどく体面を傷つけられたらしく、ありとあらゆる意地悪い仕掛けを駆使した新ダンジョンをリニューアルオープンしたらしい。懲りねえなあ、あのオッサン・・・(ノ∀`) 俺の驚きをよそに、黒い鎖かたびらの男は延々と話を続ける。2,3人、周りの奴隷が日射病で倒れたが、そんなの関係ねぇらしい。 ファングの地下迷宮を首尾よく突破した者には、前回の倍額の金貨2万枚が賞金として与えられるのだが、もしこの中の誰かがそれに成功したとしても、俺らは奴隷だからその賞金は御主人のカーナス卿が受け取るんだってさ。 その引き換えとして、奴隷身分からは解放してくれるらしいが・・・。 南方人(ひそひそ)「嘘だな」 ブリッツ(ひそひそ)「ああ。たぶんね」 サカムビット公は、自分の新迷宮を突破しうる者は1人もいないだろうと豪語している。彼の兄であるカーナス卿は、それがどうも面白くないらしい。メンツをぶっつぶしてやりたいわけだ。 鎖かたびらの男「カーナス卿は、お前らの1人が、サカムビットの鼻を明かしてやるのを望んでおられるのだ。弟の名声をひどく憎んでおられるのでな」 南方人(ひそひそ)「結局は兄弟ゲンカかよ・・・」 ブリッツ(ひそひそ)「ヨソでやれバカヤロー・・・」 鎖かたびらの男「さあ、俺についてこい!!」 俺らは丘を登って城まで引っ立てられ、地下の牢屋に閉じ込められる。何となくウマが合った南方人の黒人奴隷ともここでお別れだ。分けられて同じ房にはならなかった。別れ際に自己紹介でもしておこうか。この南方人はベルマと名乗った。 ブリッツ「いろいろあんがとよ。退屈しないですんだぜ。俺はブリッツだ」 ベルマ「俺はベルマ・・・って、ブリッツって、どこかで聞いた名だな・・・」 ブリッツ「いや、まあ、そうなの?」( ´ー`) 面倒なことになるから俺の素性は隠しといた方がいいや。 ベルマ「まあいいや、じゃあな!」(ハイタッチ!) ブリッツ「生き残ろうぜ!」(はいたっち!) お互いの手を叩いて別々の房に入る俺とベルマ。 さて、俺が入った房内には、俺様の他に4人いる--がっしりした体格のドワーフと、マンオークと、筋肉質の東洋人と、筋骨たくましい禿げ男だ。 差し迫った試練に心奪われているのか、口をきく者もなく、重苦しい雰囲気。 まあ、普通はそうだろうな。船でこの島に着いた奴隷は42人、そのうち生き残るのはたった1人。とんでもないバトルロワイヤルだ。 ひっそりと静まり返った夜が明けて・・・ やがてブラッド・アイランドに、血のように真っ赤な朝日が昇る・・・ 【技術点14/14 体力点23/23 運点14/14】 SAVE:1
by mccoy12345
| 2008-03-21 23:57
| 迷宮探険競技
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