by mccoy12345
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【技術点11/11 体力点14/18 運点10/12】
気付くと私はアルカディア人のいる船室に戻っていた。 相変わらず椅子に縛りつけられていたが、頭に張り付いた電極パッドは、もう用をなしていない。私の意識ははっきりしている。もうこんなインチキ装置に精神を乗っ取られることはないのだ。 対面にいるのは、同じく頭にヘッドギアを装着した中央アルカディア人の技術武官。そいつを見やると、私の勝利によって、奴に何かが起こっているようだ。 武官「 ・・・ ・・・ ・・・ ??? 」 虚ろな目をして、失った何かを探し求めるように、室内を見回している。私と目が合うと表情が一瞬理解の色を示したが、また下をうつむき不審な動作を繰り返す。 これは微妙な状況だ。精神崩壊寸前までいっているようだ。とにもかくにも、手枷も足枷も、これ以上縛られているのはまっぴら御免だ。拘束された椅子から私は奴に語りかけた。 ケイト「おい、拘束を解け、これを外せ」 武官「いましめを解く?ああもちろんだ。どうして解いていけないわけがある?」 武官はそう呟いたが、いっこうに私に近寄ろうとはせず、ただ室内をぐるぐるうろつき回っている。ええい、たまったものではないな。私は舌打ちし、さらに彼に迫る。 ケイト「おい、急げ!」 武官「わ、わ、わ、わかってるりりろりろろえい・・・」 しまった!奴の精神の糸は、完全に切れてしまった!! ついにこいつは一切の能動的行為を放棄して“故障”した。船室にいるもう一人のアルカディア人である行政担当文官のムスカと同じく、片隅で膝を抱えて押し黙ってしまう。 私は天を仰いだ。どうすることもできず、サクラ号のメインコンピュータが遣わしてくれるスチュアード・ロボットが通りかかるのを待つしかない。 長い間待っていると、件のロボットが食事を持ってやってきた。それまで2人のアルカディア人は、床にへたり込んでじっとしたままだった。メインコンピュータがスチュアード・ロボットの発声機関を使って話しかけてくる。 メインコンピュータ「お待たせしましたケイトさん。事態を解決した方がよさそうですか?」 ケイト(むすっとして)「無論だ。」 メインコンピュータ「かしこまりました。何でもおっしゃる通りにいたします」 狂気が充満しているこの部屋において、彼の快活さが、このときほど場違いに思えたことはない! ともあれ拘束を解いてもらい、逆にアルカディア人たちを私が今まで座っていた電極椅子に縛りつける。それから食事をとって休息するが、あまりに長い間放置されていたので体力点は2点しか回復できない・・・。 しかしそれ以上の幸運に私は恵まれた。 時間はかかったし、尋問は慎重にせざるを得なかったが、次の目的地までは十分すぎる時間があった。そして私は無気力化したアルカディア人の捕虜から、3つの重要情報を聞き出すことができたのだ。 ◎反乱勢力に利用されないよう、帝国が回収した武器の一部は、アルカディオンの女王コンピュータがあるビルの地下に秘匿されている。 ◎その秘密武器庫に入るコードは「110」である。 ◎女王コンピュータは3つのメインパーツで構成されており、完全に活動を停止させるには、そのすべてを同時に破壊しなければならない。 十分だ!特に私にとって、喉から手が出るほど欲していた広範囲破壊兵器の場所まで特定できたのは大きい。この幸運の追い風に運点+2を得る。 そして、そうこうしているうちに、ワープアウトだ。 探査レーダーが直近に存在する惑星重力をコールアウトする。 来たぞ。あそこに見える星こそが・・・ 侵略者の帝国の主星、私の任務の最終地点、惑星アルカディオンだ。 私はメインブリッジの自分の席に腰を下し、しばし感慨にふける。 メインコンピュータ「ケイトさん、とうとうここまで来ましたね」 ケイト「ああ・・・そうだ、ここまで来た・・・」 メインコンピュータ「いかがされましたか?緊張されてますか?」 ケイト「サクラ号は宇宙港で私を降ろしたら、すぐに自動航行装置をオンにしろ」 メインコンピュータ「ケイトさん」 ケイト「目的地は地球。君の仕事はそれで終わりだ。帰還せよ。以上」 メインコンピュータ「ケイトさん!それはいけません!」 ケイト「わかっているだろう?」 私も、君も、任務を託したSAROSも、調査レポートを渡した兄のマサトも、レジスタンスのリーダーであるベラトリックスも、メヒタも、ドラドも・・・みんながわかっていた。しかし誰も口に出さなかったことだ。 女王コンピュータを破壊したとしても、破壊できなかったとしても、私の生命はここで絶えるということを。 1000万を数えるアルカディア人兵士の巣窟に忍び込む1人の地球人。しかもその目標は、帝国の最重要たる中枢防御地点。 子供でもわかる。生き延びてこの星を出られる確率は、限りなくゼロだ。しかし・・・ これぞ戦士の本懐だ。自らの命で人類世界を救う。 宇宙(そら)の一族に連なる者として、これほどの有意義かつ痛快な人生があろうか。 ケイト「すぐに発進すれば怪しまれずにすむ。本来の船主たる兄の元に戻りたまえ」 メインコンピュータ「人間なら・・・」 ケイト「サクラという名を再び失うのは、私も辛い」 メインコンピュータ「・・・この感情増幅を“悲しい”というのでしょう」 ケイト「メインコンピュータくん、君との旅は、その・・・」 メインコンピュータ「・・・?」 ケイト「楽しかった。ありがとう」 メインコンピュータ「私もです」 その後はともに終始無言だった。やがて私を乗せたサクラ号は、惑星アルカディオンの宇宙港滑走路に、音もなく見事に着陸するのだった。 【技術点11/11 体力点16/18 運点12/12】 SAVE:118
by mccoy12345
| 2007-12-07 23:32
| 電脳破壊作戦
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