by mccoy12345
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【技術点11/11 体力点18/18 運点11/12】
こうして私が指揮する宇宙船トラベラー号は、地球が存在する次元界を結ぶブラックホールについて「位置座標」と「時間座標」の2つを手に入れた。 クルー達に動揺が広がっている。この果てしない探索行も、いよいよ終わりになるのか。懐かしい地球に帰れるのか。それとも・・・ 私はあえて沈黙を守り、自室に引きこもる。ここが勝負の時だ。他の雑念を払って慎重に考えたい。一人で静かに。だが、2時間ほどザゼンを組んで精神を集中するが、どうにも迷いが振り切れない! ここでブラックホールへ向かうべきか、それとも、決定的な情報を収集できるチャンスが、まだここから先にあるのか・・・。 そのとき、艦長室をノックする者がいた。副艦長のDr.セルゲイ・ドミトリエフ科学官だ。 Dr.セルゲイ「キャプテン・ホクト。全乗組員を代表して“偵察”しに来ました」 ホクト「わかっているよ、セルゲイ。長い付き合いだからね」 Dr.セルゲイ「ええ、長い付き合いです」 私とDr.セルゲイは微笑み、私は彼を部屋に招き入れるとブランデーを勧めた。任務中なので1杯だけ、カチンとグラスを合わせて乾杯する。ブリッジでの2人とは違う、リラックスしたムードがその場に漂った。 ホクト「初航海のときを覚えている?僕が駆逐艦ムラサメの艦長に着任したときだ」 Dr.セルゲイ「ええ。あなたはまだ16歳でした」 ホクト「・・・今はそのときより緊張している」 Dr.セルゲイ「大丈夫ですよ。あなたとコンビを組んでいるうちは、私は殉職しないと思います」 ホクト「何を根拠に?」 Dr.セルゲイ「勘です」 ホクト「・・・」 Dr.セルゲイ「最後は勘ですよ。艦長。どんなに理屈をつけたって、死ぬ時は死ぬ、生き残る時は生き残る。人間なんてそんなものでしょう。運命の女神様にはかないっこない」 そう言ってうちの科学官はぐいっとグラスをあおった。まるでらしくない、一方的な科学否定に私は目を丸くする。そしてぷっと吹き出した。Dr.セルゲイも笑う。高らかな男2人の笑い声が狭い部屋に響く。 これで決心がついた。私は彼に指令を下す。 ホクト「1時間後にクルー全員をブリッジに集合させてくれ」 Dr.セルゲイ「アイ・サー、キャプテン!」 私はトラベラー号全乗員にブリーフィングを行う。地球への戻り方はこうだ。 『位置座標の数値から時間座標の数値を引いて、 答えの数値と一致するパラグラフへ進め』 だがここで1つ問題がある。我々が手に入れた位置座標は3つあったのだ。 1)288星区 2)159星区 3)083星区 このうちどれを選ぶかで結末が違ってくる。入手した時間座標は1つ(21恒星日)しかないので、すなわち進むべきパラグラフは 1)288-21=「267」 2)159-21=「138」 3)83-21=「62」 この三択だ。正しければ地球に戻れる。間違っていれば・・・。 「ど、どうなりますんで?」とグェンが心配げに質問する。「こうなる」と答えて、私はあらかじめセットしてあった船内放送のスイッチを入れた。 突然、古臭いTVゲームのGAME OVERのメロディが流れる!私のいたずらに意表を突かれて張り詰めた空気が緩み、クルー達が談笑を浮かべた。ブリッジ内に明るい雰囲気が生まれる。 私は艦長として決定を伝えた。「正直に言うが・・・特に根拠はない、が、位置座標はジョルセン第3惑星で入手した159星区を採用したい。異論は?」 誰も何も言わない・・・。ただ、じっと、私を見つめている・・・。 それを私への信頼だと良い方に解釈し、私はトラベラー号をその針路に向け、ワープインした。 私はコースを設定し、ブラックホールの手前でワープから脱した。Dr.セルゲイ科学官が入射角と速度を慎重に計算する。彼が私にうなずく。私はアイコンタクトでうなずき返す。準備は終わった!私は高らかに宣言する。 「全乗員に通達!トラベラー号は、これより地球に帰還する!」 やがて我々の宇宙船は暗黒空間に船首から突っ込んだ。 ぐぐっ・・・強大な引力に捉えられるのを感じ、やがて操縦桿が微動だにしなくなる。私は全乗員に対し、座席に身体を固定するよう命じる。クルー達がそれぞれの信じる神様にブツブツと祈る声が聞こえてくる。 突然、船が激しく揺れて加速が始まる。 なんて激しいGだ! ぐんぐん増してくるGに気絶するまで、私は小声で、自分の下した決断に間違いがないことを自己確認していた。 大丈夫だ。イ・アベイルからもらった158星区で間違いない・・・ 大丈夫だ。あのとき、次元の狭間でパウロが私を押し止めてくれた・・・ 大丈夫だ。その結果として得た情報だ・・・ 大丈夫、大丈夫、大丈夫・・・ 【340へ進む】
by mccoy12345
| 2006-03-07 22:53
| さまよえる宇宙船
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