by mccoy12345
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【技術点11/11 体力点17/18 運点11/12】
ここから先の針路の候補は2つある。 (1)宇宙に浮かんで回転している巨大な車輪上の建造物をめざすか? (2)超空間に突入して小さな黒い惑星まで一気にジャンプするか? (1)はおそらく先ほど通過したのと同じ形の宇宙ステーションであろう。宇宙船の修理などが行えるのかもしれないが、現状、我々の乗り組むトラベラー号に修理の必要性はない(あったとしても、パウロ技官亡き今、有効な修理が行えるとは思えない)。よって私は(2)を選択し、ワープ空間に突入した。 超空間を脱すると、そこは小さな黒い惑星だ。スキャナーを使うが地表に生命体の痕跡はない。さらに繰り返し走査すると、ここは密度の高い惑星で地表は金属性であることがわかる。さっきの火山惑星と同じで、無駄骨かもしれないが・・・。しかし、ここまで集めたブラックホール情報は、位置座標はあるものの時間座標を入手できていない。この星に手がかりがあるならば、いやあってほしい、と、私は着陸を決断した。上陸班員は、私と、Dr.セルゲイ科学官、そしてソフィー医務官だ。 酸素が存在しないので宇宙服を着込んだ我々は地表に降りる。着陸した惑星は黒い岩がごつごつとした不毛の惑星で・・・やはり・・・何も見当たらない・・・。 Dr.セルゲイ「何もありませんね。要するにこの星は、ただの石ころです。」 ホクト「やはり手がかりなしか・・くそっ!」 私は地面の岩塊を悔し紛れに放り投げた。なぜかその岩は、地表でバウンドせず、ぴたりと地面に吸着した。 さすがに焦ってくる。果たして我々は地球に還れるのか・・・。そんな私の焦燥を悟ったのか、ソフィーがつとめて明るい声で私に話しかけてきた。 ソフィー「艦長、くさらないくさらない。ちょっと骨休みできたと思えばいいですよ」 ホクト「いや、まあ・・・たしかに大気型惑星にはない、壮大な景色だな。」 30分ほど我々は、気分転換として低重力空間のレクリエーションを楽しんだ。そして・・・ ソフィー「さあ、酸素がそろそろ切れますし、トラベラー号に戻りませんか?」 ホクト「そうだね。荒涼な光景にも飽きた。セルゲイ、トラベラー号に現在座標を送ってくれ。」 Dr.セルゲイ「いや、それが・・・」 ホクト「どうした?Dr.セルゲイ?」 通信が繋がらないのだ。 我々は慄然とする。 通信が繋がらないということは、母船に着陸ビームの座標を送れない。 母船に着陸ビームの座標を送れないということは、我々は母船に戻れない。 そして宇宙服内の酸素は・・・!!! Dr.セルゲイ「そうか!この惑星の岩石は磁力を帯びてるんです!」 ソフィー「(息苦しくなりながら)だから・・・?」 Dr.セルゲイ「電波妨害が起こるんですよ。それも、ものすごいジャミングで!」 ホクト「3人同時に最大出力で発信しよう。チェックチェック!こちら上陸班のホクトだ!応答せよ、トラベラー号!!」 だが応答はない。磁石の真ん中で3粒の砂鉄が何かを伝えようとしても、その圧倒的な磁力の前には無意味だ。 1時間・・・5時間・・・10時間・・・酸素残量という、悪魔のカウントダウンが始まる。 ときどき、数10km単位で外れた見当違いな地点が、ビーム光でぱあっと明るく光る。トラベラー号でも(おそらくマイヤーあたりが)パニック気味に、何とか我々を収容しようと、めくらめっぽうで着陸ビームを放出しているのだろう。くそっ、我々はここにいるのに!なんら知らせる手段がない!! 我々は無駄な会話をして酸素を消耗することを避け、背中合わせに無言でじっと座る。そして母船からの着陸ビーム送信が運よくここにヒットしてくれるのを待つ。だがやはり次第に息苦しくなってくる。こんなところで緩慢な死を迎えるのか・・・? ホクト「Dr.セルゲイ、あの着陸ビームが我々の地点にヒットする確率は・・・?」 Dr.セルゲイ「地表総面積から算出すると・・・0.00001%・・・いや、それ以下・・・です・・・ごほっ」 ホクト「ソフィー、酸素残量は?」 ソフィー「成人の呼吸量平均で・・・あと5分くらい・・・かな・・・キャプテン・ホクト・・・」 ホクト「ん?」 ソフィー「私・・・死にたくありません・・・」 ホクト「すまん。私のせいだ。焦ったばかりに君らを危険に遭わせた。」 ソフィー「伝えたいことがあるんです・・・」 ホクト「君の口から言わなくてもわかるよ。私は艦長失格だ」 ソフィー「いいえ違います」 なぜか、ぎゅっと私の手を握るソフィー医務官。だがそれを最後に彼女は応答しなくなった。低酸素ゆえに失神したらしい。 だめか・・・こんなところで・・・こんなくだらない判断ミスで・・・ 悔しくて涙が溢れてくる。私は上空を見上げた。空気がないので澄んだ星空だ。このように満点の星を眺めながら死ねるなら、「宇宙(そら)の一族」として本望ではないか。そう思って自分を慰める。いよいよ目がかすれてきた・・・ ZAP! ZAP! ZAP! 私の感傷は、いきなりフェーザー銃の発射音で吹き飛んだ。 見ると科学官のDr.セルゲイが最後の力を振り絞り、自分のフェーザー銃を地表に向けてぶっ放している。ついに錯乱したのか?いや違う、彼は技術点チェックに成功したのだ! 目標となった岩石がフェーザー銃の熱線で白熱する。そうか!ここで私も悟った。トラベラー号の惑星スキャン装置には光熱探知能力もあったはずだ。 私もDr.セルゲイと同じ岩に照射した。轟音で失神から覚めたソフィーも、セルゲイと私の行動に倣う。岩石が見る見るうちに溶けていく。3人で行えば、それ相応の熱源になるはずだ。 気付いてくれ・・・頼む・・・! 次の瞬間、着陸ビームが我々の頭上に降り注いだ! そして・・・我々は懐かしいトラベラー号の転送ユニット室内にいた。マイヤー保安官とグェン警備員が喜ばしげにハイタッチをかわしている。 私は宇宙服のヘルメットを脱ぐ。ああ、空気だ!美味しい空気だ! 我々はまたもや、何とか生き残ることができたのだ。 (惑星から離れたので体力点が2点回復。原点まで戻る)。 【技術点11/11 体力点18/18 運点11/12】 SAVE:27
by mccoy12345
| 2006-03-05 01:43
| さまよえる宇宙船
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