by mccoy12345
カテゴリ
甦る妖術使い ナイトメア キャッスル モンスター誕生 仮面の破壊者 ロボット コマンドゥ 迷宮探険競技 サムライの剣 深海の悪魔 電脳破壊作戦 サイボーグを倒せ 海賊船バンシー号 宇宙の連邦捜査官 恐怖の神殿 フリーウェイの戦士 宇宙の暗殺者 死神の首飾り 地獄の館 雪の魔女の洞窟 サソリ沼の迷路 トカゲ王の島 死のワナの地下迷宮 盗賊都市 さまよえる宇宙船 運命の森 バルサスの要塞 火吹山の魔法使い 親に戻る or 豪華版
以前の記事
2009年 09月 2009年 08月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
【技術点11/11 体力点11/15 運点8/10】
お前が存在する“鏡”を壊す方策は、この一つだけだ。 俺は、地下研究所の隠された部屋にあった、緑色に鈍く光る武器--水晶の棍棒--を、ゆっくりと担ぎ上げる。 「な、なぜ・・・それを・・・」俺がそれを持っていることなど、ザラダン・マーはまったく予想外だったのだろう。狼狽で顔が蒼ざめている。もはや恐れを隠そうとしない。 確かにそうだな。俺はたまたま遭遇した冒険者連中をぶち殺して隠し扉を見つけるペンダントを奪い取り、それを使って水晶の棍棒が安置されている部屋を発見した。 しかしその手掛かりとなるペンダントは、研究所の地底から地上へ出るときに、黒エルフに賄賂として差し出してしまった。だから今、ここにそのペンダントはない。 なのでどうして水晶の棍棒を見つけられたかなんて、奴にはどう考えたってわかるはずがない。俺は言葉をしゃべれないし、答える義理もない。 そう、ザラダン・マーは永久にわかるわけがない。それが必然の道理だ。 ザラダン「そうか、そんなものまで持っていたのか。あくまで創造者たる私に逆らおうというのだな」 答えの代わりとして、俺は水晶の棍棒で鏡を打ちつけようと、一歩前進する。 ザラダンは明らかに様子が変わった。己れのことを高慢ちきな“我”ではなく“私”と言うようになった。さんざん威張り腐っていた態度がウソのように、上目遣いで俺をちらちらと見ながら、柔らかい口調でこう切り出す。 ザラダン「そう急がなくてもいいだろう。どうだね、私たちで将来について話し合おうじゃないか。君の望むものはすべて手に入るようになるんだよ・・・」 それでも棍棒を持って迫ってくる俺を見て、ザラダンの声は恐怖に震え始めた。自分とこの世とをつなぐ次元の鏡が破壊される前に、何とかして交渉事をまとめようと、焦った早口で言葉をたたみかける。 ザラダン「君と私が組めば、アランシアに怖いものはなくなる。アランシア全土を征服できるんだ。富が欲しいのなら、いくらでも受け取るがいい。権力が欲しいのなら、西アランシアを君に差し上げよう!」 遂に鏡の前まで辿り着いた。すでにエルフの粉を浴びている俺には、妖術師ザラダンのいかなる黒魔術も通用しない。奴の持つちっぽけな武器は、もはや舌の上で虚しく踊る言葉尻だけだ。俺は水晶の棍棒を容赦なく振り上げる・・・ 「これでもわからないのか?じゃあ、これはどうだ!」必死にザラダンが叫ぶ! ザラダン「考えてもみろ!私を殺したら、お前は一生その姿のままだぞ!そんな化け物の姿で暮らしていくつもりか?お前は、お前の同族である人間に憎まれ、嫌われ、狩りたてられることになるぞ!!」 俺の動きが止まった。 確かにそうだ。奴のちっぽけな“言葉”という武器は、的確に俺の急所をとらえた。 ザラダンがこの世から破壊されれば、俺は元の姿に戻れない。社会の敵として文明世界から追われたままだ。 それは奴の言う通りかもしれない。 だが、そもそもマランハの秘術は、元に戻せるものなのか? それに、ザラダン・マーの言葉を信じていいものなのか? 俺は・・・ ザラダンの顔に笑みが浮かんでいる! 奴の姿が消えていこうとしている! 奴はただ単に時間を稼ごうとしていただけだ! 俺の視界が狭まって真っ赤になる。口の中の牙がきしむ。低いうなり声をあげた。 俺は鏡に向って水晶の棍棒を 振 り 下 ろ し た ! ! ! (((ガシャーン!))) 部屋に響き渡る澄んだ音! 消えゆくザラダンに向けた一撃は・・・そう、たった一撃だけで・・・鏡を粉々に叩き割った・・・。 ザラダン・マーが住む奈落の地との繋がりは、これで消えたのだ。この世界を征服せんとすべく、様々な恐怖を振り撒いていた非道なる者の、あっけない最期だ。 邪悪な妖術師は、二度とこの世に戻ってこられない。 俺は、奴が俺に施した慈悲--何ともおぞましいものだが--を、何倍にも返してやった。 ザラダン・マーにふさわしい慈悲。それは・・・ 「無」だ。 俺「 ・・・ ・・・ ・・・ (終わった) ・・・ ・・・ ・・・ 」 俺は虚脱感を覚えながら、この部屋を出ようと、扉に向かって歩き出す。その瞬間。 俺「 ・・・!!!(イタイ!) 」 足に激痛が走った。ガラスの破片でも踏んだのか? いや、俺の硬いうろこがそんなもので傷つくはずがない。 俺は痛みの原因が何なのか、ゆっくりと足元を見つめ・・・そして驚き叫んだ! 俺「あ!あああっ!!神様っ!!!」 人間の言葉で!!!! 【460へ進む】
by mccoy12345
| 2009-01-27 22:08
| モンスター誕生
|
ファン申請 |
||